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アニメ『Noir』感想(ネタバレあり)

 作品のテーマは所属、所在。

 

・序盤 ~Noirの結成、ミレイユと霧香の違い~

 ミレイユ・ブーケ(以下ミレイユ)は夕叢 霧香(以下、霧香)と邂逅し、暗殺ユニットNoirを結成する。ミレイユは家族をソルダなる組織に殺されており、暗殺の依頼を遂行する傍らソルダに関する情報を集め、真実を追求していく。彼女は不幸の境遇を抱えており、その行動理念は両親を殺した組織への復讐と、一貫している。対して霧香は自分に関する記憶を失くしており、偶然ミレーユと出会い、Noirを結成したにすぎない。戦闘能力は突出しているものの、行動理念、思想が欠落している。霧香は「自分に纏わる物語」が存在しないのだ。

 

・中盤 ~クロエの出現、真のNoir、ミレイユの動揺~

 クロエなる少女が出現する。彼女はミレイユと霧香に、自分と霧香こそが真のNoirだと告げる。暗殺業を重ねるにつれ、ミレイユは自分と霧香、クロエの間に明白な戦闘能力の格差を実感する。クロエの言葉も相まって、ミレイユは自己に対する信頼が揺らいでいく。自分はNoirとは異なるのではないか…と。さらに、話が進展するにつれ、ソルダに関する文献からNoirは2人1組の存在だと判明する。また、ミレイユの家族もソルダの一員であることが発覚する。Noirはソルダに属するのだ。家族を殺したソルダという組織にNoirは属している。こうなるとミレイユは何を信じればいいのか全くわからない。対して、霧香はミレイユと暗殺業を営むうちに、ある種の充実感を得る。それは「Noir」に所属し、目的がハッキリとした生活を送っているからである。ミレイユと過ごした時間は彼女の中でかけがえの無いものとなっていったのだ。

 

・終盤 ~霧香の覚醒、そして……~

 紆余曲折あり、霧香は記憶を覚醒する。ミレイユを殺したのは他ならぬ霧香であったのだ。ミレイユは真実を知ったものの、情にほだされ霧香を殺せない。ミレイユと霧香は離別する。ミレイユと別れた霧香は足の赴くままに進む。途中、ソルダの集落での戦闘から、霧香は「夕叢 霧香」としての人格から、「真のNoir」としての人格にスイッチングする。霧香は歩き続け、終着点である荘園へ辿り着く。荘園にはクロエと、アルテナが住んでいる。アルテナはソルダの最高幹部の一員である。ソルダは組織ではあるが、一枚岩ではない。アルテナの考えは真のNoirになるための儀式を終えること。ソルダはNoirへ暗殺業を依頼し、かつやられ役も派遣する。全ては真のNoirになるための試練であり、ソルダの自作自演であったのだ。一方、ミレイユも別のソルダ幹部の口車に敢えて乗り、全ての決着をつけるため荘園へ行く。クロエ、霧香、ミレイユ。クロエの死。そして霧香とミレイユは荘園の神殿(?)、その最深部へ行き、ついにアルテナに出会う。アルテナは火の穴に落ち、2人は生還する。彼女たちはソルダの支配構造から逃れ、駆け落ちする。

 

 あらすじは大体こんな感じ(終盤飽きた)なんだけど、ミレイユの心情描写は序盤から非常に良く表現されており、霧香の描写も中盤からグイグイ良くなっていったのが印象的だった。何はともあれ、ミレイユ・ブーケが非常に可愛い。僕のタイプだ。赤の肩出しタートルネックに黒いスカート、最高。文学の造詣が深い、最高。しかし、戦闘ではいまいち活躍できず、ピンチの場面を霧香に助けてもらっている、最高。でもドヤ顔は欠かさない、最高。うーん非常に魅力的な女性だとしか言い様がない。正直序盤は結構退屈だったので、ミレイユの可愛さが大きな視聴のモチベーションだった。梶浦由記によりBGMはトリッキーな楽曲が多く、たまにハッとするものの、良いスパイスになっており、シメる所は丁寧にシメている。OPはALI PROJECT、EDは新居昭乃。両方とも作品の雰囲気に合致しており、高品質である。良いアニメだった。